【日本発!起業家の挑戦】光と音を発する「LED内蔵ダンスシューズ」の可能性 (3/4ページ)

Orpheを開発した菊川裕也氏
Orpheを開発した菊川裕也氏【拡大】

 --つまり、すでに演奏法が知られていたピアノやオルガンの音の出し方を取り入れて、シンセサイザーが開発されたのと同じようなものですか

 「はい、その通りです」

 --なぜVCからではなくクラウドファンディングで資金を調達したのですか

 「ほとんどのVCにとって、楽器としての光る靴なんてアイデアは突拍子もなくて、奇妙な物に映ったのだと思います。2015年にクラウドファンディングサイトのIndiegogoで10万ドル(約1300万円)以上を集め、評判が広まり、実際に商品を発送できて、やっとVCからの関心が高まりました」

 --Orpheの構造についてもう少し詳しく教えてください

 「靴に精密機械を入れるので、開発時には耐久性を持たせるために苦労しました。何度もデザインし直し、3Dプリンターを使ったプロトタイプをたくさん作って今のデザインができました。Orpheには加速度・角速度・地磁気の9軸モーションセンサーが搭載されています。通常、センサーの平均誤差は1度ほどです」

 健康改善アプリ狙う

 --非常に精度が高いですね。Orpheをコントローラーとして使ったアプリケーションを考えているのですか。ダンスダンスレボリューションのようなリズムゲームやAR(拡張現実)・VR(仮想現実)のコントローラーとしての構想があるのでしょうか

 「もちろんです。Orpheに対応したアプリの開発を可能にするSDK(ソフトウェア開発キット)を今年4月にリリースしました。Orpheを取り巻くエコシステムが発展するに従って、僕たちの予想していないようなアプリも出てくると期待しています。すでに複数のVRゲーム企業とも連携していますし、ゲームエンジンのUnity用のSDKも公開しています。でも、僕たちが今注力しようとしているのはヘルスケア関連のアプリです」

 --ヘルスケアというと、リハビリ器具として使うのですか

 「リハビリだけではありません。どう歩くかということは、人の健康な生活にとってとても重要なことです。今、人々の歩き方と健康の改善に利用できるアプリを医師と協働で開発しようとしています。ここで鍵になるのは、OrpheのセンサーとLEDがほとんど時間差なくフィードバックを提供できるところです。つまり、リアルタイムのインタラクションが可能になります。歩行記録をつける靴ではありません」

靴やスポーツ用品のメーカーと提携する計画