【日本発!起業家の挑戦】光と音を発する「LED内蔵ダンスシューズ」の可能性 (4/4ページ)

Orpheを開発した菊川裕也氏
Orpheを開発した菊川裕也氏【拡大】

 --Orpheを自社で製造して直接オンラインストアなどで販売していますね。靴やスポーツ用品のメーカーと提携する計画はありますか

 「2つの方向でコラボレーションを進めています。1つはファッション性が高く、ニッチなブランド製品として通常よりも高く売れる製品を開発するという計画です。4月にアパレルメーカーのアンリアレイジとのコラボモデルを発表し、予約を受け付けました。一方で、サプライチェーンを確立している、規模の大きな靴メーカーとの提携も計画しています。これにより、Orpheを今よりも低価格で提供できるようにしたいと思っています」

 菊川氏は当初約束したおしゃれな靴以上のことを実現するために、賢いスケーリング(事業規模の拡大)戦略を取っている。大企業と提携するこの手法は、日本のものづくり系スタートアップの間でよく採用されるようになっている。

 プロトタイプを作り、1万個に満たない小さなロットで生産するのは比較的簡単だ。しかし、その次の大量生産の段階ではそうはいかない。10万個、100万個規模で質を保ったまま量産するには資金が必要だ。製造ラインを構築し、サプライチェーンを開拓・管理しなければならない。

 米国ではスタートアップが量産のために必要な資金を手に入れられるが、今のところ日本のスタートアップがそれほど巨額の資金を調達する例は少ない。そこで、すでに大量生産の能力がある大企業と提携することが得策になる。ただ、スタートアップの資金調達ラウンドの規模が大きくなるにつれて、この傾向も変わるかもしれない。

 文:ティム・ロメロ

 訳:堀まどか

【プロフィル】ティム・ロメロ

 米国出身。東京に拠点を置き、起業家として活躍。20年以上前に来日し、以来複数の会社を立ち上げ、売却。“Disrupting Japan”(日本をディスラプトする)と題するポッドキャストを主催するほか、起業家のメンター及び投資家としても日本のスタートアップコミュニティーに深く関与する。公式ホームページ=http://www.t3.org、ポッドキャスト=http://www.disruptingjapan.com/