【Bizクリニック】神鋼は社会・顧客への責任第一に 不祥事を起こした企業に求められる4つの対応 (2/2ページ)

 筆者には前向きな広報だけでなく、不祥事をはじめとする後ろ向きの広報事案の相談が寄せられる。その際「公表を免れるには、どうすればいいか」「公表が免れないとしたら、どのタイミングで、誰が、どこで、どのように公表するか」を考え、アドバイスしている。判断は「当該企業が不祥事の主体となっているか」「社会や顧客に被害を与えているか」「現在進行形か」などによって異なる。最終的に企業を守るためのお手伝いをしている。

 例えば労働災害事故でも、身内の事故か、一般人を巻き込んでしまったかによって対応策は全く異なる。身内の事故であれば、通常は公表しない。一般人を死亡させてしまった事故では、事実確認、対応策と同時並行で速やかに公表すべきだ。この場合、原因究明と再発防止策は後回しで構わない。人命と2次災害の防止を最優先する。

 神戸製鋼は、現時点で信用は失墜していると見ざるを得ない。社会と顧客に与えた被害に対する責任を徹底して果たしていくことが、信頼回復への第一歩となる。

【プロフィル】管野吉信

 かんの・よしのぶ 駒大法卒。1981年日刊工業新聞社入社。中小企業部長、金融市況部長、第1産業部長、経産省の中小企業政策審議会臨時委員。2007年ジャパン・デジタル・コンテンツ信託に入社し広報室長。執行役員として粉飾決算などの不祥事の後処理を担当。12年7月広報ブレーンを設立し、現職。58歳。福島県出身。