東京モーターショー報道向け公開 ホンダEV発売へ 電機業界からも出展続々

ブリーフィングする八郷隆弘・本田技研社長。左はホンダのHondaSportsEVConcept=25日午前、東京都江東区(宮川浩和撮影)
ブリーフィングする八郷隆弘・本田技研社長。左はホンダのHondaSportsEVConcept=25日午前、東京都江東区(宮川浩和撮影)【拡大】

  • バーチャルリアリティーで自動運転を体験できる日立オートモティブシステムズのアトラクション=25日、東京都江東区の東京ビッグサイト(柳原一哉撮影)
  • オムロンは運転手の表情を把握して見守る車載センサーを出展した=25日、東京都江東区の東京ビッグサイト(柳原一哉撮影)

 東京モーターショーが25日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で報道関係者に先行公開された。自動車各社が人工知能(AI)や自動運転を駆使した近未来の車を披露したほか、ホンダの八郷隆弘社長は同日、平成32年に日本で電気自動車(EV)を発売する方針を表明。電機各社からの出展も年々目立ち、ショーは異業種も巻き込んで変貌を遂げつつある。

 27日に開会式があり、28日~11月5日に一般公開される。ホンダがEVを国内で本格的に売り出すのは初めてで、ショーでは国内販売するEVのベースとなる試作車を公開。八郷氏は「ハイブリッド車(HV)で培った電池の制御技術などを生かし、EVを開発していく」と説明した。

 電機業界からは日立製作所と日立オートモティブシステムズがEVに欠かせないモーターや電池などの先進技術を展示。特殊ゴーグルを装着し仮想現実(VR)の映像の中で自動運転を体験できるアトラクションも用意した。

 オムロンはデジカメ開発で培った画像認識技術などを応用し、センサーやカメラが運転手の表情や姿勢を把握して見守る世界初の技術を披露。「自動運転が普及する将来、万が一の場合に自動停車させるといった利用を想定する」という。

 一方、三菱電機が出展した次世代コンセプト車「EMIRAI4(イーミライフォー)」。人工衛星の開発を手がける同社が得意とする高精度測位技術と3次元(3D)地図を組み合わせ、拡張現実(AR)の技術を使って運転席のディスプレーに車線などを表示する。前が見にくい悪天候時でも安全に運転できる。

 石川達也・自動車機器事業部長は「未来の車に必要な技術は自動車サプライヤーではなくわれわれにある」と語った。