マンション購入「予算重視」にシフト 価格高止まり、街のブランドこだわらず (2/3ページ)

建設中の「ザ・ガーデンズ東京王子」。最寄りの東十条駅から東京駅へは約20分という利便性がウリだ=東京都北区
建設中の「ザ・ガーデンズ東京王子」。最寄りの東十条駅から東京駅へは約20分という利便性がウリだ=東京都北区【拡大】

 土地売買も活況

 最寄り駅の東京メトロ「東陽町」まで徒歩10分以内、東京メトロ東西線で東陽町から大手町まで約10分という便利さだ。江東区役所にも近く子育てしやすいことも人気という。

 同社が10月に本格販売を始めた「シティテラス西日暮里ステーションコート」(荒川区)も最寄り駅の「西日暮里」まで徒歩10分圏内、東京メトロ千代田線で西日暮里から大手町までは約10分だ。こうした利便性が受け、2カ月余りで予想を大幅に上回る約1150件の問い合わせがあった。

 また、三井不動産レジデンシャルや大和ハウス工業などが販売する「ザ・ガーデンズ東京王子」(北区、864戸)の販売も好調。最寄り駅の「東十条」まで徒歩5~10分、JR京浜東北線で東京駅まで約20分という近さが、その原動力となっている。長谷工総合研究所によると、都区部で供給された新築マンションのうち、2017年1~6月の下町エリアの比率は55.7%。前年同期を3ポイント上回っている。

 城東、城北エリアでは土地の売買も活況だ。大手デベロッパーの土地仕入れ担当者は「もともとマンション開発に適した土地が少ないので、売りに出されると“ワッ”と群がる傾向が加速化している」と打ち明ける。

 長谷工総研の調査によると、17年1~6月に23区内で供給されたマンションのうち、最寄り駅から徒歩5分以内の物件の割合は53.3%と16年平均を8ポイント近く上回った。城東、城北エリアで人気が高い5分圏内の物件が多く、全体を押し上げたという。

エリアと関係なく比較検討するケースが増加