【広報エキスパート】ファンケル どんな状況でもきちんと情報発信、目指す「正直品質。」 (1/2ページ)

ファンケル執行役員社長室長の松本浩一氏
ファンケル執行役員社長室長の松本浩一氏【拡大】

 □ファンケル 執行役員社長室長(広報、IR、秘書担当)・松本浩一氏

 --4年前に池森賢二名誉会長が経営に復帰しました

 当社の創業の原点は、世の中の「不」の解消です。1970年代後半、化粧品公害が社会問題となり、90年代には日本人の食生活の変化などから生活習慣病が問題になりました。創業者の池森は、こうした世の中の「不安」「不満」「不便」といった「不」のつく事柄を解消するため、無添加化粧品や栄養補助食品(サプリメント)を世に送り出してきました。業績が順調に推移していきましたが、2003年以降は低迷期が続きました。特に当社が業界のパイオニアだったサプリメント事業は、大手食品メーカーや医薬品メーカーが参入することで競争が激化し、シェアを落としていました。そこで創業者にしかできない改革を、スピード感をもって行い、ファンケルらしい経営を取り戻そうと復帰しました。

 --手掛けたことは

 まず原点に返り、お客さまの視点に立った商品開発に注力しました。研究開発分野にも積極的に投資を行いました。また店舗スタッフのモチベーションアップを目的に、給与のベースアップも実行しました。こうしたことを早々に決断できたのは創業者だからだと思います。15年に開催した株主総会では、「現状維持ではいずれ会社は倒産に向かう。今、思い切った広告投資を行い、もう一度成長軌道に戻さなければならない」という強いメッセージを発信しました。

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