神戸製鋼所データ改竄問題 川重、負担費用を請求へ

 川崎重工業の金花芳則社長は27日、東京都内で記者会見し、神戸製鋼所のデータ改竄問題に関連して「われわれにかかった費用は当然(神戸製鋼に)請求したい」と述べた。取引先企業の間で、費用請求の動きが広がってきた。

 川重は、神戸製鋼がデータ改竄したアルミニウム製品を使って航空機のエンジンや部品、JR東日本の新幹線車両などを製造していたと明らかにした。航空機部品の納入先には米ボーイングが含まれているという。

 金花氏は、今後の神戸製鋼との取引について「原因と対策を見てから検討する」と述べ、調達先の切り替えに含みを持たせた。また「同じ神戸にある企業として非常に残念。企業としてあってはならない行為だ」と強く批判した。現時点では出荷製品の性能と安全性に影響はないとしている。

 神鋼に対しては、すでにJR西日本や日立製作所が部品交換などに伴う費用を請求すると表明。日産自動車もリコール(回収・無償修理)が必要になった場合などは負担を求める方針を示している。

 神戸製鋼の川崎博也会長兼社長は26日の会見で「一部の取引先から(定期点検などで)交換が必要といわれている」と説明。展開によっては多額の資金が必要になる可能性があり、同社は不動産子会社の株式など資産売却を進める方向だ。