バングラ進出の日本企業が「復活の兆し」 治安不安も経済堅調、事業拡大を6割強検討 (1/3ページ)

ダッカ市内を走る幹線道路。バングラデシュ経済は急成長が見込まれている(ブルームバーグ)
ダッカ市内を走る幹線道路。バングラデシュ経済は急成長が見込まれている(ブルームバーグ)【拡大】

 バングラデシュの首都ダッカで日本人が犠牲になった昨年7月のテロ事件以降、下火になっていた日本企業による事業が復活の兆しを見せている。治安面への不安は残るものの、1億6000万人の大市場を抱え、今後も高い成長が続くとの見通しが強まっているためだ。

 新たに縫製工場

 ニット製品の企画・製造の丸久(徳島県鳴門市)はこのほど、首都ダッカから約25キロの輸出加工区で縫製新工場用地の賃貸契約を結んだ。中国の人件費高騰を受けた代替生産拠点の「チャイナプラスワン」として2009年にバングラに進出。丸久の平石公宣社長は「日本向けだけでなく欧州市場も開拓する。20年にも欧州向け最高規格の工場を完成させ、現地雇用を今の2倍の5000人に引き上げる」と意気込む。新工場建設により、生地の生産や染色から縫製までの一貫体制を確立。コスト競争力を高める考えだ。

 バングラには「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングや東レなど日本の衣料・繊維大手が事業展開している。一方で欧州ブランド「ZARA」を展開するスペイン企業も日本勢を上回るペースで現地事業を拡大しており、今後、競争が激化していくのは間違いない。

 それでも、日本企業は現地事業の先行きに自信を見せている。理由の一つは、引き続き堅調な経済だ。この先も、子供と高齢者数に対する労働人口の割合が高水準を続けることで高度成長を後押しする「人口ボーナス期」が51年まで続く。

 これに加え、開発途上国から輸入される産品に対して低い税率を適用する一般特恵関税制度が縫製輸出を支えていることだ。これが中国に次ぐ世界第2の縫製立国に浮上した原動力となった。国際協力機構(JICA)バングラデシュ事務所の西片高俊所長は「現地の政府は裾野産業育成や雇用吸収できる製造業誘致を進めており、工業団地などが整備されれば、新規に進出したい日本企業も多い」と分析する。

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