バングラ進出の日本企業が「復活の兆し」 治安不安も経済堅調、事業拡大を6割強検討 (3/3ページ)

ダッカ市内を走る幹線道路。バングラデシュ経済は急成長が見込まれている(ブルームバーグ)
ダッカ市内を走る幹線道路。バングラデシュ経済は急成長が見込まれている(ブルームバーグ)【拡大】

 バングラ市場で日本製品への信頼は厚く、走行する中古車のうち9割近くがトヨタ車だ。二輪車生産のホンダも市場に浸透している。ロート製薬のリップクリームや洗顔用品がブランド力を確立。YKKグループも工場増産を検討し、イセ食品は安心な鶏卵技術を提供するために現地企業と交渉を進めている。

 ただ、現地に進出している日本企業にとって治安問題は依然として悩ましい問題だ。外務省は不要不急の渡航をしないよう呼びかける4段階中で3番目の危険度の渡航制限を続けている。各社とも警備増強や防弾ガラスなど対応策を整備するほか、外食や人の集まるショッピングセンターは敬遠され、駐在員はストレスのかかる生活を余儀なくされているのが実情だ。

 一方、モノのインターネット(IoT)の普及に伴い、ハイテク関連の人材不足が深刻化している日本企業にとって見逃せないのが、同国の優秀な人材だ。バングラデシュ工科大学(BUET)などの優秀なIT人材は、米航空宇宙局(NASA)や米グーグル、最近では韓国のサムスン電子も加わり人材争奪戦を繰り広げているほどだ。

 医師の人材派遣などを手掛けるリンクスタッフ(東京都港区)は今年12月にバングラで日本のIT関連企業向けに合同就職説明会を開催する。BUETやチッタゴン工科大学、ダッカ大学などの卒業予定者や既卒者を、人材不足に悩む日本のIT業界に仲介する計画だ。今後、人材の面でも日本とバングラの関係は重要度を増すことになりそうだ。(上原すみ子)