【長野発 輝く】八幡屋礒五郎 七味唐辛子280年の老舗 顧客とは細く長く (2/5ページ)

善光寺門前にある八幡屋礒五郎の店舗。観光客でにぎわっている=長野市
善光寺門前にある八幡屋礒五郎の店舗。観光客でにぎわっている=長野市【拡大】

  • 客の好みで約30種の素材から選んだ7種を調合できるサービスも人気を集めている=長野市
  • 室賀豊社長
  • 調味料のほかスイーツやハンドクリームなども人気がある

 9代目の室賀豊社長は「新鮮で上質な商品を提供しているという自信がある。お客さまには最高の状態で味わってほしい」と話す。現在、取り扱う商品は100点を超える。唐辛子を使ったマカロンやジェラートといったスイーツのほか、七味の素材を使ったハンドクリームなども人気だ。2014年には、善光寺門前の本店に七味の素材で作った軽食や飲み物を提供する「横町カフェ」を開店した。客の好みで約30種の素材から選んだ7種を調合できるサービスも人気を集めている。

 ◆国産新品種を開発

 江戸時代から続く老舗は近年、原点回帰を目指す新たな挑戦に取り組んでいる。七味原料の多くを県外や海外産でまかなっていた04年。「門前の味」を取り戻そうと、社長自ら農家を訪ね、当時の品種を探し回ったが見つからなかった。

 南米アマゾン河流域が原産地とされる唐辛子。他県で多く栽培されている在来種では辛みや生産量が安定せず、冷涼な気候の信州における栽培に適した品種を作り出す必要があった。06年、唐辛子の研究で知られる信州大学大学院農学研究科の松島憲一准教授とともに新品種の研究に着手した。着想から10年が経過した14年、冷涼な気候条件下でも「早く実り、完熟する」「辛みが安定している」「収穫量が十分にある」という3つの条件を満たした新品種「八幡屋礒五郎M-1」が完成した。昨年8月には、品種登録が完了。今年から本格的な栽培に取り組んでおり、10月上旬には約3200株を収穫した。

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