【長野発 輝く】八幡屋礒五郎 七味唐辛子280年の老舗 顧客とは細く長く (3/5ページ)

善光寺門前にある八幡屋礒五郎の店舗。観光客でにぎわっている=長野市
善光寺門前にある八幡屋礒五郎の店舗。観光客でにぎわっている=長野市【拡大】

  • 客の好みで約30種の素材から選んだ7種を調合できるサービスも人気を集めている=長野市
  • 室賀豊社長
  • 調味料のほかスイーツやハンドクリームなども人気がある

 現在、国内産の唐辛子と海外産の唐辛子の価格差は3~5倍。国内産が海外産に取って代わるには、安定生産ができる体制を確立する必要がある。

 「われわれはまだ目標に向かう途上にいる。信州を訪れた人たちにとって『とりあえずの土産に』ではなく『自分のために』と思って買ってもらえる商品でありたい」

 江戸時代から続く老舗の9代目はそう言って腕をまくった。(三宅真太郎)

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【会社概要】八幡屋礒五郎

 ▽本社=長野市柳町102-1

 ▽設立=1736年

 ▽資本金=1000万円

 ▽従業員数=79人

 ▽売上高=11億円(2016年2月期)

 ▽事業内容=七味唐辛子製造、販売

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 □室賀豊社長

 ■培った技術で新分野にも挑戦

 --創業280年の老舗だ

 「小さい頃から家の中に常に唐辛子の香りが漂っていて、突然目が痛くなるようなこともあった。店舗は善光寺門前にあってこの街とともに成長してきた。これからも地域貢献のために長野市を訪れた方の滞在時間を伸ばせるよう店舗やカフェを充実させていきたい」

 --日本三大七味の一つだが

 「3社で使っている素材も作り方も違う。三大七味ということで互いに張り合うというのではなく、老舗同士で協力できる関係が作れたらいい」