富士通、レノボにPC子会社を売却で合意 ブランド存続で拠点・雇用も維持

記者会見で握手を交わす富士通の田中社長(右)とレノボグループのヤン・ヤンチン会長兼CEO=2日、東京都港区
記者会見で握手を交わす富士通の田中社長(右)とレノボグループのヤン・ヤンチン会長兼CEO=2日、東京都港区【拡大】

 富士通は2日、パソコン事業を手掛ける子会社を中国の聯想(レノボ)グループに売却し、合弁会社化することで合意したと発表した。富士通は米HPと世界市場で首位争いをする大手のレノボと組むことでコスト競争力を高める。富士通ブランドは存続させ、島根県出雲市の製造拠点も引き続き活用して雇用を維持する。

 富士通は、子会社の富士通クライアントコンピューティング(川崎市)の株式の51%をレノボに、5%を日本政策投資銀行にそれぞれ譲渡する。譲渡額は計280億円。手続きは来年4~6月に行う。

 富士通は昨年10月、「戦略提携」としてレノボと交渉に入り、今春にもまとめる方針だったが、交渉が長引いていた。

 2日、都内で会見した富士通の田中達也社長は「レノボの部材調達力やスケールメリットを生かし魅力的なサービスを提供していく」と述べ、レノボ側は富士通の国内工場の閉鎖計画について「一切ない」と明言した。

 国内パソコン市場は富士通とNECの2強をはじめ、かつては国内電機大手の大半が事業を手掛けていた。だが、価格競争力に勝る海外勢との競争が激化。市場の成熟化も進み各社とも苦境に陥った。

 NECとレノボは2011年、パソコン事業を統合。ソニーは14年にパソコン事業を「VAIO」(バイオ、長野県)として独立させた。日立製作所も07年に一般向けパソコン事業から撤退している。