ソースネクスト、携帯型の音声翻訳機事業に参入 訪日客“言葉の壁”解消に貢献 (1/2ページ)

携帯型音声翻訳機「POCKETALK(ポケトーク)」を発表する松田憲幸社長=東京都渋谷区
携帯型音声翻訳機「POCKETALK(ポケトーク)」を発表する松田憲幸社長=東京都渋谷区【拡大】

 ソフトウエアの企画開発を手掛けるソースネクストは、携帯型の音声翻訳機事業に参入した。政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに訪日外国人4000万人を受け入れる目標を掲げているが、訪日客の約3割が「言葉が通じないことで困った」という調査結果があることから翻訳機によって“言葉の壁”の解消を図るビジネスに乗り出す。旅行やビジネス、接客など幅広い場面でのニーズを捉えることで、20年までに50万台の販売を計画している。

 12月に発売する「POCKETALK(ポケトーク)」は、手のひらサイズの端末のボタンを押して話すだけの簡単操作と、クラウド上の翻訳エンジンに連動することで高い翻訳精度を実現した。50言語以上に対応。専用端末のボタンを押して話すと、あらかじめ指定した言語に翻訳する。

 日本語と英語ではグーグル翻訳、日本語と中国語ではバイドゥ翻訳など、クラウド上の複数のエンジンから最適なものを選択できる。

 短い言葉だけでなく、複雑で長い会話にも対応する。例えば「こちらのエレベーターは5階には止まらないので、エスカレーターか階段をご利用いただけますでしょうか。エスカレーターはこの通路を進んだ右側にあります」という日本語に対して、訳語が端末のディスプレー上に示され、音声も発する。一部の言語はテキストだけを表示する。ポケトークは専用機にすることで操作が簡単になり、音声も聞き取りやすく、使い勝手が格段に向上している。

 スマートフォンを用いた翻訳アプリはすでに活用されている。しかし、起動するまでに手間がかかるほか、相手にスマホ本体を渡す必要があり盗まれる不安もあった。

語学の学習ソフトとの連携を検討