朴槿恵前大統領への贈賄罪で公判中のサムスン電子の李在鎔副会長(AP)【拡大】
韓国の最大財閥サムスングループの中核企業サムスン電子が絶好調だ。朴槿恵(パク・クネ)前大統領への贈賄罪に問われた李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(49)は公判中で、トップ不在が続いているにもかかわらず、今年7~9月期に過去最高益をたたき出した。グローバル企業として成功をおさめた巨艦の底力をみせつけた形だが、韓国内では先行きへの悲観論が絶えない。なぜか-。
「嫁と子供以外はすべて変えろ」。サムスン電子の李健煕(イ・ゴンヒ)会長(75)は1993年に、独フランクフルトで全役員を集めて開いた会議で、経営方針の転換を宣言し、こうげきを飛ばした。この宣言は「フランクフルト宣言」として知られる。
聯合ニュースによると、このほど米経済誌フォーブスは過去100年間にアジアの革新を主導した5大企業の筆頭にサムスングループを挙げ、フランクフルト宣言が成長の最大の分岐点になったと指摘した。
サムスングループが躍進を遂げた原動力として、トップによる迅速な意思決定を挙げる見方は多い。フランクフルト宣言は日本企業の模倣に終始してきた同グループが、トップの強力なリーダーシップのもとで独自路線を加速させる起点になったと指摘されている。
それだけにトップ不在の現状は事業への悪影響が懸念されたが、足元の業績は申し分ない。
サムスン電子が10月13日に発表した2017年7~9月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比で約2.8倍の約14兆5000億ウォン(約1兆4400億円)となり、四半期としての過去最高額を同年4~6月期に続いて更新した。売上高は29.7%増の約62兆ウォンだった。