「親と子供以外はすべて変えろ」で成長したサムスン今がピーク? 業績絶好調も悲壮感あふれるワケ (2/3ページ)

朴槿恵前大統領への贈賄罪で公判中のサムスン電子の李在鎔副会長(AP)
朴槿恵前大統領への贈賄罪で公判中のサムスン電子の李在鎔副会長(AP)【拡大】

  • 韓国ソウルで開かれた韓国エレクトロニクス・グランド・フェアでサムスン電子のスマホ「ギャラクシーノート8」を体験する来場者(AP)
  • 辞意を表明したサムスン電子の権五鉉副会長(AP)
  • 巨大スクリーンに映し出された韓国サムスン電子のスマートフォン(AP=共同)
  • サムスン電子の業績は絶好調だが…(ロイター)

 半導体部門が好調で、同部門の営業利益だけで10兆ウォン前後に達したとの見方が出ている。スマートフォン事業を扱うITモバイル部門も大画面のスマホ「ギャラクシーノート8」が堅調。「ノート7」の発火問題で16年7~9月期に不振だった同部門も利益拡大に寄与したもようだ。

 そんなサムスンをめぐり、韓国内で衝撃を与えたのが、権五鉉(クォン・オヒョン)副会長の辞任表明だ。病床中の李健煕会長、懲役5年の実刑判決を言い渡した一審判決を不服として控訴した李在鎔副会長に代わり、権氏は陣頭指揮をとってきた。それが、過去最高益を更新した7~9月期決算の発表と同じ日に、経営の一線から退く意思を明らかにしたのだ。

 朝鮮日報によると、権氏は辞意を表明した文書で「急激に変化するIT産業の属性を考えると、今こそ後輩の経営陣が出て、非常に強い覚悟を持って経営を刷新し、新たな出発をするときだと信じている」と訴えた。一方で「今は幸いなことに当社が最高の実績をあげているが、これは過去の決断と投資の結実に過ぎない。将来の流れを読み、新たな成長力を見つけることは考えられずにいる」と危機感をあらわにした。

 過去最高の実績をあげている企業の実質的なトップの言葉にしては悲壮感にあふれている印象は否めない。

 同社の先行きを危ぶむ見方は韓国内でも広がっているようだ。

 中央日報は「サムスン電子の現在の実績は過去の望ましい意思決定のおかげだ。未来のための意思決定を今しなければならないが、サムスン電子は事実上、立ち止まっている」との業界関係者の懸念を紹介。その上で、「サムスン電子の主力事業は未来が明るくない。スマホと家電は既に多くの市場を中国に奪われている。半導体も時間の問題だ。5年かかろうと10年かかろうと、中国は必ず追いつくだろう」と警鐘を鳴らした。

先行きに影を落とす“トップ不在”