新プロペラ機、地方で巻き返し 九州の航空会社が相次ぎ導入 「日本は重要市場」 (1/3ページ)

日本エアコミューターのATR42-600機
日本エアコミューターのATR42-600機【拡大】

  • ATR42-600の機内
  • 機内から見た沖永良部島

 国内の地方路線で活躍する100席未満の小型機に“新顔”が登場している。ジェット排気でプロペラを回す「ターボプロップ(新型プロペラ)」旅客機だ。九州拠点の地域航空会社2社が仏ATRの「ATR42-600」を導入した。政府が2020年に訪日外国人数を4000万人に引き上げる目標を掲げる中、地方観光の“足”となる小型旅客機は更新期を迎えている。かつて、地域を結ぶ中小型旅客機はリージョナルジェット(RJ)が世界の市場を席巻したが、新型プロペラ機が盛り返しつつあるという。

 仏ATR機に搭乗

 仏ATRは10月中旬、ATR42-600を2機導入した日本エアコミューター(JAC)鹿児島-沖永良部便の一部座席を使い、マスコミや航空会社関係者向けの搭乗会を開催した。JACは鹿児島から沖永良部島や屋久島、種子島など離島に7路線を運航しており、ATR9機(今回の2機を含む)の導入を決めている。

 鹿児島空港の展望デッキから滑走路を見ると、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)の大型ジェット機やRJが止まっていた。プロペラ機では、スウェーデンのサーブ「SAAB340B」やカナダのボンバルディア「DHC8-Q400(Q400)」の姿も。その向こうにATR42-600が駐機していた。全長22.7メートル、全幅24.6メートル、全高7.6メートル。スマートさが目立つQ400と比べてどっしりとした印象だ。

 通路を挟んで左右2席ずつに分かれた座席は計48席。機内はかなりコンパクトだが、白いLED照明が明るく、乗客が狭く感じないよう工夫されている。

 座席はJALのジェット機と同じ黒のシート。JALの「エコノミークラス」のクッションより薄い感じだが、座り心地はそれほど悪くない。

「日本は重要市場」