浅草芸者の心意気にほれた 第一勧信、街おこし狙い開店資金融資 (1/3ページ)

店内で踊る鹿島さん(ブルームバーグ)
店内で踊る鹿島さん(ブルームバーグ)【拡大】

  • 新田信行理事長

 浅草の路地を入り、表通りのにぎわいから少し離れた場所にその店はある。半間ほどの小さな入り口をくぐると、黒竹をあしらった落ち着いた内装が目に留まる。現役の芸者で乃り江さんこと鹿島菊乃さんが、夕食後の2次会タイムに「気軽に芸者に会えるお店を」と2年前にオープンした。第一勧業信用組合(東京都新宿区)の提供する芸者ローンで開業にこぎ着けた鹿島さんは「融資がなければ何も始まらなかった」と振り返る。

 無保証で1500万円

 鹿島さんは曽祖母、祖母も浅草芸者という家に生まれた。艶っぽい着物姿に似合わず、その素顔は国際派。明治大学卒で台湾大学に留学経験もあり、英語と中国語を自在に操る。人生設計も明確で、早くから40歳までに自分の店を持ちたいという目標があった。しかし、開店資金の融資を受けようと大手行など5、6カ所を回ったところ、反応が冷たい。事業計画書を見た途端、「うちでは無理ですね」と突き返された。

 「芸者衆はこんなに信用がないのかと驚いた」。鹿島さんによると、芸者はスポーツ選手や芸能人などと同じ個人事業主として、けがや病気で収入が激減する恐れのある不安定な職種と見なされる。ましてや、新規融資に当たっては3期分の決算書や担保、保証人などで信用を補完できなければ門前払いが普通だ。途方に暮れていた時、1500万円の無保証融資で手を差し伸べたのが第一勧信だった。

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