浅草芸者の心意気にほれた 第一勧信、街おこし狙い開店資金融資 (2/3ページ)

店内で踊る鹿島さん(ブルームバーグ)
店内で踊る鹿島さん(ブルームバーグ)【拡大】

  • 新田信行理事長

 第一勧信にも資金提供する理由があった。少子高齢化が進み国内市場の拡大が見込めない中で、金融機関、特に営業区域の限られる信金・信組の生き残る道は厳しい。徹底して地域と向き合い、街おこしを担っていくことで道を開いていこうという考え方だ。

 「株式を上場しているメガバンクは利益を追求する必要があり、断るのは当たり前。僕らは利益以上に将来の街の姿を考える使命があるから、今回の話は断る訳がない」。みずほ銀行常務から転じた同信組の新田信行理事長は、銀行と信用組合を金融機関だからとひとくくりにするのは大きな誤解だと説く。融資の決め手となったのは、同信組と付き合いの長い東京・神楽坂の料亭主人からの鹿島さんの人柄に対する「お墨付き」だったという。

 飛び込み営業禁止

 誰にでも門戸を開く銀行と違い、非営利組織の信組と付き合うには、原則として出資して組合員になる必要がある。新田氏は「うちは飛び込み営業禁止、新規は100%口コミです」と明かす。組合員が仲間に迎えたいと推薦する相手に「お金にだらしない人はいない」という理屈だ。「芸者さんが相談に来るのは40歳前後から。それまでに地域に溶け込み、素性や人柄を皆が把握している」と新田氏。芸者ローンをはじめ商店街、銀座のバーローンなど310種類、330件のコミュニティーローンを抱えるが、延滞はほとんどないという。

「山ほどある需要」