【高論卓説】中国で高まる人材開発ニーズ 企業が急成長、統率能力追い付かず (2/3ページ)

 中国で実施しているのが、分解スキル反復演習型能力開発プログラムだ。リーダーシップスキルやビジネススキルのうち身に付けたいスキルをパーツ分解し、それを反復演習によって体得するプログラムだ。

 課題解決、業績管理、合意形成、対立解消、時間管理、行動計画、表現手法、構成手法など、基本的なスキルを1プログラム2時間、演習方式で身に付ける。

 中国人経営者に特にニーズがあるのは、業績管理プログラムに含まれる部下を巻き込むスキルだ。中国人は日本人よりも、トップダウン型のマネジメントをしやすい。話法の観点から分解していくと、命令と指示の話法がほとんどだ。そこで、上司が部下に命令や指示を一切せずに質問だけで面談する方法を演習する。

 部下の状況、成果が出た取り組み、成果が出なかった取り組み、さらに改善したい点、上司にサポートを得たい点を質問し、サポートすることを同意した上で、上司から助言をする。おのおのの質問を15分ずつ反復演習する。

 また、トップダウン型のマネジメントを表現の観点から分解していくと、上司が部下に対して覆いかぶさるように見つめている。

 さらに分解していくと、相手の目を見つめる時間が長く、アイコンタクトを外す際に斜め上に外してから降ろしているので、上からにらむ動作をしている人が多いことが分かった。

日中間の複雑な国民感情の類はみじんも感じられない