一時的なブームでは終わらなかった なぜ「フーターズ」の集客力はスゴいのか (4/4ページ)

 フーターズガールの志望者には、モデル、女優、ダンサーを目指している人も多く、毎年開かれている「ミスフーターズジャパンコンテスト」で優勝すると、米国で開催される「ミスフーターズ世界大会」への出場や取材対応などにより、メディアへの露出のチャンスが広がる。

 春の大学生の卒業・入学シーズンにメンバーが入れ替わっても安定した水準のホスピタリティーが保てるのは、このモチベーションの構築に注力しているからだ。

 顧客層は、30~40代までの男性がメインだが、女性も20~30代を中心に3割ほどまで増えてきた。女性にもフーターズガールのかわいらしさ、ホスピタリティーに憧れる人が多く、女子会、ママ友会に利用されるケースもある。外国人の顧客も、特に渋谷店の休日は多く来店する。

 今後、エッチジェーではさらなる店舗展開を進めるほか、フーターズガールがキッチンカーで接客するスポーツイベントへの出店などで、ファン拡大を図っていく方針。

 米国ではフーターズの店舗が増えすぎたためか、直近は徐々に縮小傾向だが、日本ではまだ余力が十分だ。フーターズガールが高いレベルのホスピタリティーを保ち続ける限り、スポーツイベントの盛況ぶりからも好調に推移していくだろう。

著者プロフィール

長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。