トラックにもEVシフトの波 日本3社、米中攻勢に対抗 今後の課題は? (2/3ページ)

三菱ふそうトラック・バスが出展した世界初の量産EVトラック「eキャンター」=10月30日、東京都江東区
三菱ふそうトラック・バスが出展した世界初の量産EVトラック「eキャンター」=10月30日、東京都江東区【拡大】

 いすゞ自動車は、小型トラック「エルフ」を電動化した参考出品車「エルフEV」を披露。片山正則社長は、来年からのエルフEVの試験運用で知見を蓄積し、「経済性と使い勝手の良さを兼ね備えたEVを造る」と高らかに宣言。小口配送やゴミ収集での利用拡大を狙う。

 一方、EV以外にも視野を広げ、市場がどちらに振れても二酸化炭素(CO2)の削減要求に応えられるのが日野自動車だ。同社は、25年以上にわたるハイブリッド商用車の運用で磨いた電気でモーターを動かす基盤技術を、EVや水素で走る燃料電池車(FCV)などに応用している。

 課題は航続距離

 ただ、EV普及をめぐっては、充電設備が十分に整っておらず、航続距離も問題だ。いすゞが開発したエルフEVの航続距離も近隣の配送や集荷のニーズに応えられる100キロ以上だが、都市間の長距離輸送には物足りない。しかし、搭載するバッテリーを増やして航続距離を伸ばそうとすると、積載量が減ってしまう。

 このため各社は、課題解決に向けた戦略を進める。ダイムラーは、ベンチャー企業などとも連携。今秋には、急速充電技術の開発を加速するため、バッテリー関連技術を手掛けるイスラエルのストアドットへの出資を決めた。

各社がEV化の転換点を強く意識する背景は?