LIXILが新ビジネス、途上国に簡易トイレを販売 (1/2ページ)

ウガンダに設置されたLIXIL(リクシル)の簡易トイレ「SATO」=2015年10月(LIXIL提供)
ウガンダに設置されたLIXIL(リクシル)の簡易トイレ「SATO」=2015年10月(LIXIL提供)【拡大】

  • LIXIL(リクシル)が販売する途上国向け簡易トイレ「SATO」を手に事業の進め方などを話し合う同社の担当者=10月23日、東京都内

 「簡単に見えるけど、これでも流体力学の知識を駆使して設計されたものなんです」-。東京都内の高層ビルの一室で、住宅設備メーカーLIXIL(リクシル)のシニアマネジャー、小竹茜さんが、青いプラスチック製のトイレを手に、こう話し始めた。

 製品は同社が販売している発展途上国向け簡易トイレ「SATO」。安全なトイレの英語の頭文字をつなげたもので、2013年に同社が買収した米国の企業が12年に開発したトイレが基になっている。

 各地に衛生的なシャワートイレなどが普及している日本では想像さえ難しいが、世界には衛生的なトイレが使えなかったり、野外で用を足したりしている人が約23億人いる。約3人に1人にも上る計算だ。

 持続可能な開発目標(SDGs)の前身であるミレニアム開発目標(MDGs)の中でも達成率が低く、SDGsの第6目標として「すべての人への水と衛生へのアクセスの確保」が盛り込まれた。

 「深刻な途上国の衛生問題の解決に貢献しようと16年にソーシャルトイレット部という専門の組織を立ち上げました」と言うのは同社の松岡正さん。

 「200ccという少しの水できれいに流せるように形を工夫し、下部のウエートの中に少量の水が入って蓋が閉まるようになっているので、臭いやハエなどの虫が出てこない仕組みです」