ソフトバンク、米携帯3位と4位の合併交渉中止 スプリント株を追加取得

2017年9月中間連結決算をを発表するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=6日、東京都中央区
2017年9月中間連結決算をを発表するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=6日、東京都中央区【拡大】

 ソフトバンクグループの孫正義社長は6日の決算記者会見で、傘下の米携帯電話4位のスプリントと、3位のTモバイルUSの合併交渉を中止し、スプリントの株式を追加取得する考えを明らかにした。追加取得はスプリントと連携して米事業を強化する姿勢を明確にする狙い。2017年3月末時点の持ち株比率83%から株主総会全体の議決が必要になる85%を超えない水準まで買い増す方針だ。

 交渉中止の理由について孫氏はモノのインターネット(IoT)時代の到来に向け「経営権を手放すべきではない。5、10年後のことを考えるとそれが正しいと(10月27日の)取締役会でまとまった」と述べた。

 今月4日には、Tモバイルの親会社、ドイツテレコムのヘットゲス最高経営責任者(CEO)と都内で会談して、交渉の中止を伝えたという。

 スプリントとTモバイルの合併をめぐっては、合併新会社の株式の過半数をドイツテレコム側が握る方向で協議を進めていた。ただソフトバンクは主導権を失うことを懸念していた。

 一方で孫氏は「門戸は常に開かれている」とも語り、合併交渉の再開に含みを持たせた。