業績不振が続く大塚家具は6日、貸会議室やホテルを運営するティーケーピー(TKP)と資本・業務提携すると発表した。
TKPの施設への商品納入や内装デザインを手掛けることで安定した需要を確保し、早期回復につなげる狙いがある。
単身世帯の増加で引っ越しなどに伴う家具のまとめ買いが減り、強みだった大型店の床面積縮小など事業の抜本的なリストラを進めている。
法人向け事業の強化も課題で、急成長中のTKPを長期的なパートナーとして活路を見いだす方針だ。
第三者割当の手法により21日付で自社株の一部をTKPに約10億円で売却する。売却で得た資金は、商品の仕入れや店舗の賃借料の支払いなどに充てる。TKPは大塚家具の議決権の6.82%を取得し、大塚家具創業家の資産管理会社に次ぐ株主となる。
東京都内で記者会見した大塚家具の大塚久美子社長は「店舗内の催事場でセミナーなどを開くが(活用が)十分ではないと問題意識があった」と説明。店舗の余剰部分をTKPの貸会議室に転換することも提携に盛り込んだ。
大塚家具が6日発表した2017年1~9月期決算は、最終損益が58億円の赤字となり、前年同期の40億円の赤字から悪化した。既存店の苦戦に加え、構造改革に伴う特別損失の計上が響いた。