クアルコムは抵抗の構え ブロードコム、11兆円の買収案

米ブロードコムから1000億ドルの買収提案を受けているとされるクアルコム(ブルームバーグ)
米ブロードコムから1000億ドルの買収提案を受けているとされるクアルコム(ブルームバーグ)【拡大】

 米クアルコムは、ブロードコムが準備している1000億ドル(約11兆4600億円)の買収提案を拒否する構えだ。計画に詳しい関係者が明らかにしたもので、クアルコムの価値を過小評価する内容だと主張する。

 ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は、同業のクアルコムを買収し、ハイテク分野では過去最大規模となる買収を通じ、無線通信用半導体の市場を支配する巨大企業の構築を目指している。

 ブロードコムはクアルコムに対し、1株当たり70ドルの買収案を準備している。計画が公になっていないことを理由に関係者らが匿名で語った。ただ、クアルコムは株価低迷を利用して安値で買収しようとする動きだと主張する見通し。

 関係者によれば、クアルコムの取締役会と経営陣は提案を十分に検討する一方、株主に対しては拒否するよう勧告する公算が大きい。そのためブロードコムが買収を進める場合は、委任状争奪戦を余儀なくされる見込み。買収規模の大きさを踏まえると、クアルコム取締役会の抵抗に加え、規制当局が難色を示す可能性もあると、関係者らは指摘した。

 クアルコムを買収すれば、ブロードコムはインテル、サムスン電子に次ぐ世界3位の半導体メーカーとなり、毎年10億台超が販売されているスマートフォン向けの半導体で業界リーダーとなる。これまでのハイテク分野の買収では2015年のデルによる670億ドルでのEMC買収が最大。

 クアルコムは携帯端末を無線通信網と結ぶ半導体で支配的な地位にあり、ブロードコムは端末をWi-Fi(無線LAN)ネットワークと結ぶ半導体技術を専門としている。(ブルームバーグ Ian King)