三越伊勢丹中期経営計画 「周回遅れ」の構造改革待ったなし

来年3月に閉店する意向となった伊勢丹松戸店=千葉県松戸市(江田隆一撮影)
来年3月に閉店する意向となった伊勢丹松戸店=千葉県松戸市(江田隆一撮影)【拡大】

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)の中期経営計画で、早期退職募集による人件費の圧縮などが盛り込まれたのは、同業他社に比べ“周回遅れ”とも揶揄(やゆ)される構造改革なしに業績のV字回復は難しいと判断したからだ。

 前社長の大西洋氏は、リストラをめぐる社内混乱の責任を取る形で辞任した経緯がある。4月に就任した杉江俊彦社長は構造改革の実現に向け、実行力が問われる。

 「不採算店舗などで何らかの対処をすべきだった」。杉江氏は業績不振の理由について、こう説明した。しかし、来年3月の伊勢丹松戸店(千葉県松戸市)の閉鎖は発表しているものの、追加の店舗閉鎖については「決まっているものはない」と述べるにとどめた。

 杉江氏は、人件費について「他社と比べて大きい」と認めている。統合で管理ポストが増えたことなどが要因だが、労働組合の反発や社内の動揺を抑えるため、11月から始めた早期退職募集は具体的な人数目標や期間を明確に定めていない。今後、どれだけ人件費を圧縮できるかは未知数だ。

 そもそも、三越伊勢丹が示した営業利益350億円の中期目標は、決して高い水準ではない。不動産事業の強化など“脱百貨店”を進めてきた高島屋は、2018年2月期の営業利益を360億円と見込む。

 三越伊勢丹は中期経営計画でデジタル化の推進やテナント誘致なども盛り込んだが、これら成長戦略の実行も業績回復に向けて待ったなしだ。(大柳聡庸)

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