三越伊勢丹、リストラと社内融和の“ジレンマ” 早期復活見通せず (2/3ページ)

来年3月の閉鎖が決まった伊勢丹松戸店=千葉県松戸市
来年3月の閉鎖が決まった伊勢丹松戸店=千葉県松戸市【拡大】

 「次に取り組みたいのが簡単に言うとゾゾタウンがやっているビジネスだ」

 7日に東京都内で開かれた決算会見で杉江社長はこう述べ、急成長するスタートトゥデイへの対抗心をあらわにした。杉江社長が想定するのは、自社の通販サイトを立ち上げ、出店するアパレル会社から販売代金に応じて手数料を受け取る事業だ。だが、現状は“稼ぐ力”でライバルに劣っていることは否めない。

 三越伊勢丹の2017年度の営業利益見込みは180億円と、高島屋やJ.フロントリテイリングの半分以下。営業利益で見劣りする理由について、野村証券の担当アナリストである青木英彦氏は「三越伊勢丹は不動産事業など百貨店以外の事業で出遅れた」と指摘する。

 高島屋は家具大手ニトリなど専門店を積極的に誘致。J.フロントも今年4月、東京・銀座に複合商業施設を開業するなど、不動産事業を強化する。

 三越伊勢丹は主力の衣料品を中心に自前で仕入れた商品を、自前で売り切る従来型の百貨店事業にこだわり、環境変化への対応でつまずいた。

 杉江社長は「まずは構造改革に取り組む」考えだが、その後の成長戦略を描けなければ、ライバルに稼ぐ力でさらに水をあけられかねない。

 店舗閉鎖に猛反発

 千葉県松戸市の伊勢丹松戸店。10月中旬の夕方に訪れると、上層階の衣料品売り場は客がまばらだった。JR松戸駅から5分ほどの好立地ながら、ネット通販などに客を奪われ赤字が続き、来年3月21日に閉鎖されることが決まった。市内に住む60代の女性は「なくなってしまうのは寂しい」と話す。

 閉鎖が発表されたのは今年9月末。だが、閉鎖の話が持ち上がったのは昨年11月まで遡(さかのぼ)る。当時社長だった大西氏が、決算会見で伊勢丹松戸店を含む4店舗を構造改革の対象として言及した。

労組などが猛反発、社内が混乱

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