米当局、AT&TにCNN売却要請 タイム・ワーナー買収で独禁法抵触懸念

AT&Tのロゴ=7月、米フロリダ州ハイアリア(AP)
AT&Tのロゴ=7月、米フロリダ州ハイアリア(AP)【拡大】

  • AT&T本社=2014年10月、米ロサンゼルス(ロイター)

 米通信大手AT&Tによる米メディア・娯楽大手タイム・ワーナー買収を巡り、米司法省がAT&Tに、米独占禁止法(反トラスト法)に抵触するとして、タイム・ワーナー傘下にあるCNN親会社かAT&T傘下の衛星放送大手ディレクTVを売却するよう求めたことが8日、分かった。欧米メディアが関係者の話として報じた。

 CNNはトランプ政権に批判的な報道姿勢で知られ、トランプ大統領からたびたび批判を受けている。トランプ氏は米大統領選前にタイム・ワーナー買収は「少数者への巨大権力の集中だ」として「私の政権では認めない」と発言。CNNの売却要請は政権による報復との見方もある。

 AT&Tは昨年10月、タイム・ワーナーを854億ドル(約9兆7千億円)で買収することで合意したと発表。当初から米独占禁止法に抵触するとの見方が出ていた。

 これに対してAT&Tは、同社はタイム・ワーナーから映像コンテンツの供給を受ける立場で、今回の買収は企業の「垂直統合」に当たると説明。規制当局が過去に問題視した同業者同士の「水平統合」と違い、競合他社の締め出しにはつながらないと主張していた。(共同)