【木下隆之のクルマ三昧】日独“頂上決戦”の実現は? 世界一速いスポーツカーはどれだ! (4/4ページ)

 ドライバーに関しても同様で、ミハエル・シューマッハやセバスチャン・ベッテルというF1チャンピオンを始め、数多くのF1ドライバーを輩出したドイツのプライドもあるし、日本にも意地がある。お互いに、負けるレースはまっぴらごめんなのである。

 実はタイヤ銘柄やエンジン規定が異なる。そもそもDTMがスプリントレースでありSGTは耐久レースの形態をとる。レギュレーションに差異がある。規則をどう調整し、どう戦うのかを双方が納得しない限り、混走バトルは実現しないのである。

 そう、メーカーも威信をかけているわけであり、ここでの負けは許されない。ドライバーも同様に、勝って名を上げたいと企む。実際にパスカル・ヴェアラインは、DTMでの活躍が認められ、現在F1のシートを獲得した。決してお祭りごとでは許されないレースなのだ。軽はずみに「はい、日独決戦ね」とはならない事情はそこにもあるのだ。

 ともあれ、様々な障害は取り除かれつつある。DTM最終戦ホッケンハイムで日本のマシンがデモンストレーションランを披露したように、11月のSGT最終戦ツインリンクもてぎ(栃木)では、DTMの3メーカーがやってきてSGTマシンを交えた6台でサーキットを周回する。機は熟しつつある。

【木下隆之のクルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は隔週金曜日。

【プロフィル】木下隆之(きのした・たかゆき)

木下隆之(きのした・たかゆき)レーシングドライバー 自動車評論家
ブランドアドバイザー ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。