東芝メモリ売却、遅れたらどうなる つなぎ資金調達に高いハードル (1/2ページ)

売却の遅れが懸念される東芝メモリの四日市工場=三重県四日市市
売却の遅れが懸念される東芝メモリの四日市工場=三重県四日市市【拡大】

 新たに構造改革を検討し始めた東芝だが、目下、最大の課題である上場維持は、なお予断を許さない。東芝メモリを来年3月末までに売却し、負債が資産を上回る債務超過を解消する計画だが、売却が間に合う保証はないからだ。期限を過ぎることになれば、売却完了まで債務超過を穴埋めする「つなぎ」の資金が必要になるが、東芝が資金調達を実現するハードルは高い。

 「ワーキンググループでいろいろな手法を検討している」。東芝の平田政善代表執行役専務は9日の会見で、資金調達の代替案に言及したが、具体策には触れなかった。

 東芝は、米投資ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」に東芝メモリを2兆円で売却する予定だが、計画通りに売却を完了するには各国の独占禁止法の審査を通過する必要がある。審査期間は半年が目安で申請したのは9月末。審査に厳しい中国当局が少しでも審査を延ばせばアウトだ。また、米ウエスタン・デジタル(WD)が東芝メモリの売却差し止めを求めて提訴しており、裁判所の判断次第で売却手続きは止まる可能性がある。

 仮に、売却が予定通りに進まない場合、東芝にはつなぎ資金の確保でどのような手段を想定できるのか。もはや、まとまった資金を捻出できる事業や資産の売却手段は残されていない。

 東芝は10月に内部管理体制に問題がある「特設注意市場銘柄」の指定を解除され、公募増資など市場からの資金調達が可能になった。しかし、東芝メモリ売却で収益の柱のなくなる東芝本体への投資は魅力に乏しく「資金は集まらない」と関係者は口をそろえる。

金融機関からの支援も難しい