また金融機関からの支援も難しい状況だ。銀行団が債務超過の東芝に融資を続けているのは、東芝メモリの売却による資金の返済を前提としている。「銀行が売却前に追加で資金を入れるかは不透明だ」と投資情報サービス会社ナビゲータープラットフォームの和泉美治アナリストは指摘する。
こうした状況を踏まえると、有力なのはベインの支援になる。ベインは東芝メモリの株主として残る東芝本体への出資や融資などの支援にも前向きとみられる。ただ、銀行やファンドから支援を受けるにしても「時限的な措置にならざるを得ないだろう」とBNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは見解を示す。
一方で独禁法審査はいつ終わるのかは見通しにくく、それまでの間支援を継続してもらえるかには疑問も残る。東芝の再建への不安はまだ晴れそうにない。(万福博之)
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■東芝メモリ売却が来年3月に間に合わなかった際に想定される資金調達手段
・公募増資など市場からの資金調達
東芝メモリ売却で収益の柱を失う東芝が投資家から資金を集めるのは難しい
・金融機関からの資金調達
現行の融資継続も東芝メモリ売却が前提。売却前に追加の支援ができるかは不透明
・ベインキャピタルからの資金調達
主導する「日米韓連合」が東芝メモリを買収。東芝本体の支援にも前向き