ソフトバンク孫社長、スプリント再生で試練 重くのしかかる巨額債務 (1/2ページ)

スプリントとTモバイルの統合をめぐり厳しい立場に立たされたソフトバンクグループの孫会長兼CEO(ブルームバーグ)
スプリントとTモバイルの統合をめぐり厳しい立場に立たされたソフトバンクグループの孫会長兼CEO(ブルームバーグ)【拡大】

 名うてのM&A(企業の合併・買収)仕掛け人である孫正義が会長兼社長を務めるソフトバンクグループは先週、傘下で米携帯電話4位のスプリントと同3位のTモバイルUSとの合併交渉を打ち切り、自ら苦しい立場に身を置くことになった。孫氏が統合会社の経営権を相手方に譲り渡す案に最後まで二の足を踏んだ結果だった。

 4年内に返済期限

 孫氏にとって厳しいのは、現実問題としてスプリントが独力ではどうにもできないということだ。同社は10年にわたり年間で黒字を確保したことがなく、380億ドル(約5兆225億円)の債務を抱えている。業界大手と競争するため次世代無線技術に巨額投資を必要としているにもかかわらず、債務の約半分は今後4年間に返済期限を迎える。

 孫氏はスプリントの経営を軌道に乗せるため、別のパートナーとの大胆なM&A案件を成功させるか、スプリントの債務返済に加え、2021年にかけて約250億ドルとアナリストらが試算するネットワーク投資のためにソフトバンクの財力に手をつける必要がある。孫氏の交渉力と強い意志が試される状況だ。

 BTIGのアナリスト、ウォルト・ピエシク氏は「現時点で孫氏は戦略オプションを放棄し、スプリントのネットワークとブランドの競争力向上のため地道に米国に投資せざるを得ないだろう」と語った。

 スプリントとドイツテレコム傘下のTモバイルUSは4日、合併交渉を打ち切ると共同で発表した。なぜ交渉がまとまらなかったかの詳細には言及しなかった。関係者によると、孫氏とドイツテレコムのヘットゲス最高経営責任者(CEO)は3日夜、東京でのディナーの席で統合新会社の経営権をめぐって最後の努力を重ねたが、解決には至らなかった。

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