ソフトバンク孫社長、スプリント再生で試練 重くのしかかる巨額債務 (2/2ページ)

スプリントとTモバイルの統合をめぐり厳しい立場に立たされたソフトバンクグループの孫会長兼CEO(ブルームバーグ)
スプリントとTモバイルの統合をめぐり厳しい立場に立たされたソフトバンクグループの孫会長兼CEO(ブルームバーグ)【拡大】

 関係者によると、スプリントは近く投資家説明会を開き、クラウレCEOが米国で単独で戦う戦略の詳細を明らかにする見通し。

 スプリントは米携帯電話大手4社の中で最も多くの周波数帯ライセンスを保有している。ただ、周波数帯で優位な立場にあっても、ネットワークの改善に十分な資金を投じてこなかった。ピエシク氏によると、Tモバイルが過去12カ月間でネットワークに60億ドルを投資したのに対し、スプリントは25億ドル未満。追いつくには「設備投資を2倍以上増やさなくてならないが、営業キャッシュフローから資金を捻出することはできない」という。

 設備投資37億ドル

 スプリントは今後4年間に190億ドルの社債償還とローン元本の支払期限を迎える。ブルームバーグインテリジェンスのアナリスト、スティーブン・フリン氏によると、スプリントの17年度のフリーキャッシュフローは5億ドル未満と見込まれるのに対し、無線ネットワーク関連の設備投資は総額約37億5000万ドルに達する見通し。

 ソフトバンクの株主はスプリントに対する財政支援を想定してない。スプリントの債務は親会社が返済義務を負わないノンリコース型だからだ。ソフトバンクも、自ら長期債務を14兆9000億円抱えており、財政支援にほとんど関心を示していない。

 ジェフリーズ証券のアナリスト、アツール・ゴーヤル氏は、「3年たってもこうした交渉は続いており、孫氏は自らを興奮させるようなテクノロジー投資案件に思いをめぐらせているというよりも、スプリントに悩ませられていることだろう」と語った。(ブルームバーグ Pavel Alpeyev、Scott Moritz)