慢性心不全患者の栄養管理高齢患者「付加する」成人患者「制限する」考え浸透も栄養状態評価手法や栄養剤を用いた栄養指導に専門医⇔非専門医に意識ギャップあり

「1か月あたりの外来の慢性心不全患者数」と「低栄養ないし低栄養のリスクが高いと思われる患者数」「栄養剤を用いた栄養指導を行っている患者数」
「1か月あたりの外来の慢性心不全患者数」と「低栄養ないし低栄養のリスクが高いと思われる患者数」「栄養剤を用いた栄養指導を行っている患者数」【拡大】

  • 外来の慢性心不全患者に、新規で経腸栄養剤の経口投与を行うきっかけ
  • 外来の慢性心不全患者に対する栄養療法(成人)
  • 外来の慢性心不全患者に対する栄養療法(高齢者)

月600万人が利用する日本最大級の病院検索・医薬品検索・医療情報サイト群ならびに医療者向けサービスを運営する株式会社 QLife(キューライフ/本社:東京都港区、代表取締役:有瀬和徳)は、兵庫県立尼崎総合医療センター 循環器内科科長の佐藤幸人先生監修のもと、心不全専門医(※1)40人、循環器専門医(※2)80人、非専門医(※3)80人の計200人の医師を対象に、慢性心不全治療における栄養管理の実態調査を実施した。調査は2017年9月10日~12日にインターネット調査で行われた。

【調査結果概要】
■外来慢性心不全患者の治療内容について、「栄養剤を用いない栄養指導」心不全専門医57.5%、循環器専門医46.3%、非専門医28.8%。「栄養剤を用いた栄養指導」心不全専門医45.0%、循環器専門医28.8%、非専門医35.0%
■1か月あたりの外来慢性心不全患者のうち、28.5%「低栄養ないし低栄養リスクが高いと思われる」8.9%「栄養剤を用いた栄養指導を行っている」
■1か月あたりの外来慢性心不全患者のうち、診療報酬が算定できる外来栄養指導を行っている患者の割合について、病院勤務医(HP)20.4%、開業医(GP)2.6%
■外来慢性心不全患者の栄養状態の評価頻度「1か月に1回」36.0%、最も重視する項目「体重変動」「アルブミン値測定」「浮腫の発現」
■栄養状態の評価ツール
「使っていない」53.0%、「SGA・ODA」27.0%、「MUST」21.5%、「CONUT」17.5%
■成人の外来慢性心不全患者には「制限する」栄養療法重視39.0%、高齢者の外来慢性心不全患者には「付加する」栄養療法重視44.5%
「制限」から「付加」へのきっかけ:「体重減少」73.5%、「フレイル」63.5%、「サルコペニア」61.5%
■新規の経腸栄養剤投与のきっかけ「医師による判断」42.8%、「患者本人や家族の訴え」37.1%
■経口経腸栄養剤、重視するのは「少量で高カロリー摂取」73.0%、「味が良い」71.5%、「さらっとした飲みやすさ」60.5%

【主な結論】
今回の調査から、慢性心不全治療における栄養管理の重要性を認識している医師が専門・非専門に関わらず増えていることが分かった。

◆心臓悪液質の概念、ならびに成人と高齢者で異なる栄養指導方針の浸透
2016年に日本心不全学会から「高齢心不全患者の治療に関するステートメント」が公表されたこともあり、心臓悪液質の概念や、成人は「主に制限」し、高齢者は「主に付加」する栄養療法を重視するなど栄養管理の重要性の認識は広がっている。

一方で、専門医と非専門医で意識にギャップが見られる部分もあった。

◆低栄養リスクの高い患者に対する栄養剤を用いた栄養介入の実施率
外来の慢性心不全患者で「低栄養ないし低栄養のリスクが高いと思われる患者」の割合は約3割、さらにそのうち、栄養剤を用いた栄養指導を行っている患者の割合は約3割で、全体の約9%だった。心不全専門医は低栄養ないし低栄養のリスクが高いと思われる患者」の約46%に対し、栄養剤を用いた栄養指導を実施しており、専門医と非専門医で意識のギャップが見られた。また、栄養状態評価ツールの使用率は半数にとどまることから、「低栄養患者の見逃し」が発生する可能性も否めない。

◆経腸栄養剤による新規栄養介入のタイミング
新規で経腸栄養剤の経口投与を指導した医師のうち、心不全専門医、循環器専門医は医療者の判断・助言が半数以上だったのに対し、非専門医では患者側の訴えが半数以上を占めていた。患者側の訴えによる栄養介入はタイミングが遅くなる懸念がある。

慢性心不全治療における栄養介入については、迅速な介入判断が重要となる。低栄養疑いの時点で、栄養状態評価ツールを用いて、より早期の栄養介入を実施すべきであろう。

「“食べないということを聞くまではわからないことが多い”という医師回答にもあるように、患者や家族の訴えや検査結果から初めて介入を検討するのではなく、食事摂取量が減り始めた時点や、低栄養を疑い検査を行う判断をした時点で、既に“低栄養である”とみなして、早めの栄養介入を実施し、心臓悪液質を防ぐべきと考えます。医師以外のメディカルスタッフの関与も必要です」(調査監修した兵庫県立尼崎総合医療センター 循環器内科科長 佐藤幸人先生)

「1か月あたりの外来の慢性心不全患者数」を教えてください。またそのうち、「低栄養ないし低栄養のリスクが高いと思われる患者数」、「栄養剤を用いた栄養指導を行っている患者数」を教えてください
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/142807/img_142807_1.png

1か月あたりの外来の慢性心不全患者のうち、「低栄養ないし低栄養のリスクが高いと思われる患者数」の割合は28.5%、「栄養剤を用いた栄養指導を行っている患者数」の割合は8.9%だった。また、「低栄養ないし低栄養のリスクが高いと思われる患者数」(2,653人)のうち、「栄養剤を用いた栄養指導を行っている患者数」(829人)の割合は31.2%だった。

外来の慢性心不全患者に対し、新規で経腸栄養剤の経口投与を行うきっかけは何ですか?
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/142807/img_142807_2.png
新規で経腸栄養剤の経口投与を行うきっかけについて、全体では「医師による判断」が最も多く34.0%、以下「患者本人や家族の訴え」29.5%、「メディカルスタッフによる助言」16.0%と続いた。
心不全専門医では「医師による判断」が最も多く47.5%、循環器専門医では「医師による判断」が最も多く41.3%、非専門医では「患者本人や家族の訴え」が最も多く40.0%だった。

外来の慢性心不全患者に対するエネルギー・栄養素等を「制限する」栄養療法と「付加する」栄養療法について、成人(~65歳未満)/高齢者(65歳以上)に対してどのように行っていますか。
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/142807/img_142807_3.png
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/142807/img_142807_4.png

成人患者では、39.0%が「制限する」栄養療法を重視すると回答、「付加する」栄養療法を重視するとした回答は13.5%だった。
高齢者患者では、13.0%が「制限する」栄養療法を重視すると回答、「付加する」栄養療法を重視するとした回答は44.5%だった。

外来慢性心不全患者への経腸栄養剤の経口投与実施時、重視する項目は何ですか?
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/142807/img_142807_5.png

「少量で高カロリー摂取できる」が最も多く73.0%、次いで「味が良い」(71.5%)、「飲みやすさ(さらっとしている)」60.5%の順となった。

なお、今回の詳細な調査結果はhttp://www.qlife.co.jp/news/171110qlife_research.pdfからダウンロード可能。

※1「所属診療科が循環器内科」かつ「日本循環器学会所属」かつ「日本心不全学会所属」医師
※2「所属診療科が循環器内科」かつ「日本循環器学会所属」医師
※3「所属診療科が一般内科・総合内科または糖尿病内科または老年内科」かつ「日本循環器学会および日本心不全学会に所属していない」医師

………………………………………………………………………
▼株式会社QLifeの会社概要
会社名:株式会社QLife(キューライフ)
所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ10F
代表者:代表取締役 有瀬和徳
設立日:2006年(平成18年)11月17日
事業内容:健康・医療分野の広告メディア事業ならびにマーケティング事業
企業理念:医療と生活者の距離を縮める
URL:http://www.qlife.co.jp

今、あなたにオススメ
Recommended by