金融庁、地銀の監督制度を見直し 収益性に課題なら検査を実施

来年6月までの重点施策をまとめた金融庁=東京・霞が関
来年6月までの重点施策をまとめた金融庁=東京・霞が関【拡大】

 金融庁は10日、来年6月までの重点施策をまとめた「金融行政方針」を発表した。中小企業支援の分野での政府系金融機関の在り方を議論するほか、地方銀行の監督制度の見直しなどについても検討していくとした。融資などの本業で収益を上げられない地銀に対して、立ち入り検査する方針も盛り込んだ。

 政府系金融機関をめぐっては、商工中金が公的制度「危機対応融資」で不正を繰り返していたことが発覚し、民業圧迫との批判が地銀などから出ている。金融庁は行政方針で、公的金融の役割は「民業補完」との位置付けを強調し、中小企業金融などの分野で民間との連携や協力を含む望ましい関係を議論していくとした。

 人口減少により経営環境の悪化が見込まれる中、地域の金融仲介機能を維持するため、「現行の制度や監督対応に改善の余地がないか検討する」とした。

 また、過半数の地銀が2017年3月期は貸し出しや手数料ビジネスなどの本業が赤字になっていると指摘。持続可能なビジネスモデルを構築できない銀行に対し検査を実施、対話を通じて経営改善を促す考えも示した。

 取引先企業の価値向上に取り組んでいる地銀を客観的に評価する共通指標を導入することも明記した。少額投資非課税制度(NISA)の長期積立枠「つみたてNISA」の普及など、家計の安定的な資産形成に取り組んでいくことや、新たな検査・監督の基本方針を策定する方針も明らかにした。

 金融庁は7月から翌年6月の1年間に取り組む重点施策などの行政方針を毎年公表している。