グーグル、AIで中国再進出 市場開拓に立ちはだかる「検閲と忠誠心」のカベ (3/4ページ)

グーグルが7年前に中国市場から撤退する前に中国部門の本社が入居していたビル=2010年12月、北京(ブルームバーグ)
グーグルが7年前に中国市場から撤退する前に中国部門の本社が入居していたビル=2010年12月、北京(ブルームバーグ)【拡大】

 中国のAI開発環境は世界でもトップクラスにある。AIを国家の最優先項目に掲げる中国はテンサーフローの開発コミュニティーの拡大ではアジア有数の成長スピードを誇る。同市場においてクラウドサービスの利用が制限されているグーグルは後れを取っている。多くの中国の競合企業は既にAIの機械学習システムを導入し、金融サービス情報の更新や混雑の中での顔認証、ドローンの操縦などに活用している。

 10月24日に上海のテンサーフローのイベントに出席した中国人開発者は「中国本土にサーバー設置をグーグルのクラウド部門が認められたとしても、アリババグループなどの地場企業が既に安価なクラウドコンピューティング製品を提供しており、利益を生み出すのは難しい」と予想。一方で、「グーグルが中国に一層のテンサーフローの技術と製品をもたらすことを開発業者は待ち望んでいる。グーグルのクラウドソリューションは素晴らしい。同社のツールも大変使い勝手が良い」と歓迎した。香港科技大学の楊強教授はテンサーフローの人気の理由について、「単純に中国人利用者は最良で人気の高い商品を買うため」と説明する。

 関心の高まりに合わせてグーグルは雇用を拡大しており、このほど中国の複数の大都市でAI関連の求人広告を出した。

 競合のバイドゥ先行

 グーグルの中国進出は再び失敗に終わる可能性もある。今年中国で実施されたグーグルのイベントに対する中国政府の反応も好材料とは言い難い。アルファベット傘下のAI部門「ディープマインド」が開発した囲碁ソフトで中国人棋士を破ったことが政府高官の感情を害し、AIシェア争いに向けた国家主導の動きを加速させた。

しかし、これにひるむグーグルではない