「ブラザー×コメダ」異色の社長対談・後編 なぜ“海外経験”のある人が社長になるのか (1/5ページ)

ブラザー工業の小池利和社長(左)とコメダ珈琲店の臼井興胤社長(右)
ブラザー工業の小池利和社長(左)とコメダ珈琲店の臼井興胤社長(右)【拡大】

 異色の「社長対談」が実現した。ともに愛知県名古屋市に本社を置くプリンター大手のブラザー工業と、喫茶店舗数で国内3位のコメダ珈琲店(コメダ)だ。事業内容も売り上げ規模もまったく違うが、共通項もある。その1つは両者の社長とも米国での駐在経験があることだ。「海外経験」はキャリアを積み上げるうえでどれだけ重要なのか--。(後編、全2回)

 ※前編は昨日11月11日に配信しています。

 「年功序列」打破のために海外駐在へ

 --2人の共通点は、新卒で入社した会社で「海外駐在経験」があることです。その後の歩みは好対照で、小池さんは同じ会社でキャリアを積み上げ、臼井さんはさまざまな会社でキャリアを積み上げました。まず、海外駐在を希望した理由は何ですか。

 【小池】私は昔から「大口を叩き、言いたいことを言う」性格でした。好奇心旺盛で何でも自分で見てみよう、やってみようと考える。米国に行ったのも、ブラザーが海外でプリンターを販売することになって「それならオレが売ってみせる」と駐在員に立候補したのがきっかけです。ただ、学生時代から英語が大の苦手。赴任前も赴任後も英会話学校に通いましたが、最初は営業に行っても「英語がもっと上達してから出直してこい」と言われる始末でした(苦笑)。それでも何とか習得して現地で仕事をしてきました。赴任当初は23年半も住むとは思いませんでしたが。

 【臼井】新卒で三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)を選んだ理由は、「社費で海外のビジネススクールに留学させてくれる」と聞いたからです。入行すると、試験に合格しなければ留学できないことを知りました。それでも行くことができ、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に留学後、そのまま米国駐在となり、5年ほど生活しました。

 米国の金融界は、シティバンク(現シティグループ)経営者のジョン・リードが40代で辣腕を振るって業績を立て直し、シティを輝かせていた時代です。帰国してからは東京の本社勤務で、頭取直轄の企画部にいましたが、日本の銀行は学閥など内向きな視点も目立った。当初は三和銀行で出世する意識がありましたが、「グローバルでは勝ち目がない」と思い始めたのです。

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