大崎篤・品質保証本部長は「30年ずっとこの仕組みでやってきたので、現場は違和感を覚えなかっただろう」と説明する。日産と異なり、原因は社内制度にあったとの見方だ。
だが、経営と現場の両方があるいは声を上げず、あるいは気づかずに長期間、ルールに違反していたのは同じだ。ブランドイメージに傷を負った両社は2018年3月期の通期予想を引き下げるなど、業績にも影響が出た。
両社は弁護士ら第三者を含む社内調査を実施しており、日産は今月中旬、スバルは今月末に調査結果と再発防止策を国土交通省に報告する。この問題の背景として、完成検査員の指名基準が会社ごとに違うなど、国の制度の曖昧さも指摘されているが、「ルールを守れなかったのは事実」(アナリスト)だ。
両社は、創意工夫できる現場力を維持したまま、適切な経営による管理も及ばせ、法令を順守する態勢づくりを進める必要がある。それが、自動運転や電気自動車など、これまでとは次元の異なる競争に勝ち抜くための前提となりそうだ。