東芝、資本増強優位に WDへ和解圧力

 東芝は不採算事業の売却を急ぐ一方、懸案である米ウエスタン・デジタル(WD)との係争解消にも注力する。三重県四日市市の半導体工場への追加投資をめぐりWDを排除するかどうか、月内にも判断する。半導体子会社「東芝メモリ」の売却完了時期が遅れても上場を維持できる資本増強の枠組みを早期に固め、和解に応じるようWDに圧力をかける。

 追加投資は四日市工場で建設中の第6棟が対象だ。記憶容量が現在より大幅に向上した最先端のフラッシュメモリーの量産拠点となる。

 WDは投資に加わらなければ、契約上、最先端製品を販売できなくなり、事業への打撃が避けられない。

 WDは東芝メモリの売却中止を求めているが、スティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)が8日の講演で「長期的に協業を成功させることが最優先事項だ」と述べるなど、強硬姿勢に変化の兆しもある。東芝はWDが訴訟を取り下げれば共同投資を認め、平行線なら単独で実施する。フラッシュメモリーの需給逼迫(ひっぱく)で投資は急務となっている。

 資本増強は6000億~8000億円規模で、第三者割当増資を軸に検討中。東芝メモリの売却が関係各国の独禁法審査の影響で来年3月末に完了せず、2年連続の債務超過で上場廃止になる事態を回避するのが狙いだ。

 資本増強にはWDとの和解交渉を優位に進める思惑もある。主要取引銀行も「反対する理由がない」と理解を示している。増資を引き受ける投資ファンドなどが確保できれば、速やかに実施すべきだとの考えに傾きつつある。

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