「カンロ飴」60年ぶりに刷新、添加物使わず従来の風味再現 海外事業強化も明らかに

新しい企業ロゴマークを手にするカンロの三須和泰社長(右)=14日午後、東京都渋谷区
新しい企業ロゴマークを手にするカンロの三須和泰社長(右)=14日午後、東京都渋谷区【拡大】

 菓子メーカーのカンロは14日、主力商品の「カンロ飴」を約60年ぶりに刷新すると発表した。添加物を使わずに従来通りの風味を再現し、健康志向の高い消費者を取り込む。併せて、新しい企業ロゴマークを公表。山口県内の一部工場の閉鎖や海外事業を強化する方針も明らかにした。

 カンロ飴は昭和30年に発売したロングセラーで、商品刷新は初めて。しょうゆと砂糖、水あめの3素材で作られており、素朴な甘さが特徴だ。

 今回、しょうゆに添加するアミノ酸を使わない新製法を開発した。平成30年秋から新商品を投入し、幼い子供を持つ家族客など新規顧客の獲得を目指す。

 国内のキャンディー業界は近年苦戦しており、カンロの売上高も伸び悩んでいる。キャンディー工場の集約に着手し、来年夏から子会社のひかり製菓(山口県光市)の生産設備を近隣の自社工場に移管する。「生産体制を3カ所から2カ所に集約し、効率化を進める」(三須和泰社長)という。ひかり製菓の従業員の雇用は継続する。

 一方、台湾や香港といったアジア地域で人気商品を投入し、20年後の海外売上高比率を5割に引き上げる。将来はアジアでの生産も検討する。