カード・アパートローン、各行で自粛の動き広がる 過剰融資やバブル化懸念

大手銀行の平成29年9月末のカードローン・アパートローン残高
大手銀行の平成29年9月末のカードローン・アパートローン残高【拡大】

 銀行大手5グループのカードローンとアパートローンの9月末の貸付残高が14日、出そろった。カードローンの残高総額は3月末に比べ2.1%増の計1兆8609億円、アパートローンは非公表のみずほ銀行を除き1.2%減の7兆6038億円だった。

 低金利下での成長分野として、各行が事業を強化してきたが、カードローンは過剰融資、アパートローンは地方でのバブル化が指摘され、自粛の動きが広がっている。

 カードローンは、3月末の残高が三菱東京UFJ銀行で前年同月比約17%増の約4350億円。三井住友銀行が約5%増の約7800億円、みずほ銀行は約11%増の4138億円と伸ばしていた。

 ただ、過剰融資が問題となったことを受け、メガバンク3行は融資枠を利用者の年収の3分の1までとするなど自主規制を導入。三菱東京UFJ銀行は10月から、テレビCMの自粛にも乗り出した。

 一方、アパートローンに関しては、土地を資産に持つ個人の相続税対策としての需要が一巡。その後も、需要に見合わない過剰な建設が続き、地方で空室率が目立ったことで貸付残高が減少したもようだ。