ブレイゾン・セラピューティクス 脳神経疾患の治療薬開発に着手 (2/2ページ)

ブレイゾン・セラピューティクスの技術のベースとなるドラッグデリバリーシステム(DDS)について説明する片岡一則・東大特任教授=東京都文京区の東京医科歯科大学
ブレイゾン・セラピューティクスの技術のベースとなるドラッグデリバリーシステム(DDS)について説明する片岡一則・東大特任教授=東京都文京区の東京医科歯科大学【拡大】

 認知症や鬱病、統合失調症といった脳神経疾患治療薬の開発は大きな課題となっているが、今回の技術で脳神経疾患治療薬の開発ができれば、鬱病だけでも100万人以上とされる患者にとって福音となるという。

 片岡センター長は「脳腫瘍などの脳血管疾患への適用も考えられる。脳疾患に新たなアプローチでの治療法が提供できる」とナノマシンの今後に期待を寄せている。

 2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測される中、脳神経疾患治療薬の市場規模は拡大傾向にある。BBB突破薬の世界市場規模は30年に35億ドル(約4000億円)との試算も出されている。

 国内外の大手製薬会社から共同研究開発の申し出が相次いでおり、戸須社長は「他社などとも連携してBBB突破技術を世界に広げたい」と話している。

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【会社概要】ブレイゾン・セラピューティクス

 ▽本社=東京都文京区本郷3-42-1 三友ビル201

 ▽設立=2015年10月

 ▽資本金=5925万円

 ▽従業員=4人

 ▽事業内容=中枢神経領域を対象にした医薬品、診断薬、研究用試薬などの研究開発