【経財論】持続可能な社会実現目指す (2/3ページ)


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 新たな憲章の理念を「持続可能な社会の実現のために」とし、前文では、企業が持続可能な社会の実現を牽引(けんいん)する役割を担うことを明記している。併せて、会員企業が憲章の精神を実践するための参考資料として作成している「実行の手引き」も、全面的に見直して充実を図った。

 企業行動憲章は、企業行動に関する10条の原則から成る。今回の改定では、全体的に、企業の主体的行動を促す前向きな表現とするとともに、国内外を問わず適用できるよう、条文の内容を整理した。

 第1条では、ソサエティー5.0の実現を念頭に、企業はイノベーションを通じて持続的経済成長と社会的課題の解決を図ることを掲げた。

 今回、初めて項目立てされた第4条は、企業における人権尊重に関する条文である。「手引き」では、国際的に認められた人権への理解や人権に配慮した経営の推進に向けた取り組みを解説している。

 第6条は、多様な人材の活躍を引き出す働き方の改革や職場環境の充実を扱っており、「手引き」ではSDGsの理念も踏まえ、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用)、同一労働同一賃金などの内容を追加した。

 第9条は、市民社会や企業活動への脅威が反社会的勢力のみならず、テロやサイバー攻撃、自然災害など、多様化・複雑化している現状を踏まえ、危機管理の徹底を扱う条文とした。

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