経済界の訪中団が20日出発 政治面の関係改善が経済交流に波及するか 中国ビジネスルールの改善求める

経済界による合同訪中団の結団式で、あいさつする日中経済協会の宗岡正二会長
経済界による合同訪中団の結団式で、あいさつする日中経済協会の宗岡正二会長【拡大】

  • 中国の習近平国家主席(AP=共同)
  • 中国の李克強首相(共同)

 日中経済協会と経団連、日本商工会議所は20日、合同訪中団を派遣する。10月の中国共産党大会で、2期目の習近平体制が固まり、日中首脳会談で広がった関係改善の機運が経済交流にも好影響を及ぼすかが焦点だ。日本側は先進国とは“異質”なビジネスルールの改善も求める。訪中団は習国家主席、李克強首相らとの会談を目指す。

 訪中団は日中経協の宗岡正二会長(新日鉄住金会長)を団長に、経団連の榊原定征会長や日商の三村明夫会頭ら過去最大の約250人が参加する。23日までは北京で国家指導者や政府機関との会談を予定。その後、26日まで広東省広州市などの企業を訪問する。

 最大の焦点は、会談に習政権から誰が出てくるかだ。出席者は足元の日中関係を反映するとされ、昨年は共産党序列7位の張高麗副首相(当時)との会談だった。しかし今月に入って安倍晋三首相が習、李両氏と立て続けに会談し、冷えこんでいた日中関係が雪解けムードとなった。このため、日本側は両氏との会談実現に期待を寄せる。

 習氏の経済政策にも注目する。中国は、人件費上昇で生産拠点としての魅力は薄まっているが、市場としては巨大だ。ただ、中国に進出した企業が撤退する場合、手続きが極めて煩雑で、資産を差し押さえられるケースもあるなどリスクが大きい。独占禁止法の審査も他の先進国より長期化しがちで、日本側はこうした中国独特の商慣行の改善を求める。