【知恵の経営】社員を大切にする会社 (1/2ページ)

 □法政大学大学院政策創造研究科教授アタックスグループ顧問・坂本光司

 先般、社会人大学院生たち約20人で台湾の企業を視察してきた。訪問先は台北市の2社と高雄市の2社の計4社である。

 台北の一社は、台湾で今、大学生が最も入社したい会社といわれている外食企業、もう一社は日本の大学で学んだ若者が創業した貿易会社だ。高雄の2社は産業用照明器具メーカーと、リサイクルビジネスを展開する会社である。

 訪問する数カ月前から台湾に詳しい社会人大学院生の経営者が、現地の親しい友人に「人、とりわけ社員を大切にしている企業」を視察したいというリクエストを出していたこともあり、4社とも「社員とその家族を大切にするいい会社」ばかりだった。

 4社全てを紹介することはできないので、高雄のリサイクル会社について述べる。

 同社の社名は「サイバーテック」といい、現社長の陳春発氏がさまざまな職業を経験した後、リサイクルビジネスの将来性に着目し、1996年に現在の所在地で創業している。事業内容は、コピー機などのカートリッジのリサイクルである。より具体的に言えば、廃棄されたカートリッジなどを同社のネットワークで収集、再生、再び充填(じゅうてん)して販売する事業だ。現在の社員は約80人、この業界では台湾ナンバーワン企業である。

 同社の経営理念は「お客さまへの信頼・約束」。経営のモットーは「社会や社員に申し訳の立たない経営をしない」であり、創業20年間、人を大切にする経営を貫いている。「リストラはしない」「長時間残業はさせない」「社員は家族」といった経営がそうであるが、そのことが全従業員の心に深く浸透していることは、工場見学のときの生産現場で働く全従業員の目つき・顔つきで十分すぎるほど証明された。

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