サイゼリヤは「外食チェーンの勝ち組」 他社圧倒する低価格も…じわじわ上がる客単価 (1/4ページ)

 ミラノ風ドリア299円、グラスワイン100円。サイゼリヤは業界他社を圧倒する低価格を実現している。その秘密はユニクロなどと同じ「製販一体」のビジネスモデルにある。ホワイトソースは牛乳が安い豪州の自社工場で製造している。国内の約1000店に年間1.6億人を集客し、客単価は約720円。しかも、その客単価は上昇傾向にある。『図解!業界地図2018年版』(プレジデント社)の著者が同社の強みを分析する--。

※画像はイメージです(Getty Images)

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 通っているとこの安さが当たり前に感じる

 参入障壁が低いだけに競争が厳しく、人気の浮き沈みも目立つ外食チェーンにあって、現在の勝ち組企業の1社がサイゼリヤである。

 社名と同じイタリアンレストランを運営。「グラスワイン100円」「ミラノ風ドリア299円」「ミートソースボロニア風399円」など、他社を圧倒する低価格で人気を獲得している。ちなみにこれらの価格はいずれも税込みだ。

 同店に何回か足を運ぶと、ワインやパスタなどメニューの安価さが当たり前に思えてくるから不思議だ。粉チーズやタバスコはテーブルに置いていないために、使用する場合は自ら取りに行く必要があるが、それでも価格を考えれば苦にならない。

(PRESIDENT Onlineより)

(PRESIDENT Onlineより)

 サイゼリヤの1000店を超える国内店舗の平均像を見ておこう。国内全店舗の年間集客は1億6000万人前後での推移である。2010年8月期は842店舗、年間集客は1億3069万人だった。1店舗1日平均の来客数は、およそ420人。1人単価は約720円で、1日平均の売上高は30万円前後である。店舗を運営する従業員は1.7人平均、資産価値は1700万~1800万円台といったところだ。

サイゼリヤの強みは客単価