竹製食器で子供に安全な食生活 FUNFAM・藤岡康代社長 (1/2ページ)

FUNFAMの藤岡康代社長
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  • 子供が使いやすいように工夫を凝らした「バランサーセット」。ホテルや料理店などで広く活用されている

 FUNFAM(ファンファン)は、竹を原材料にした子供用食器の製造販売を手掛けている。安心・安全な食生活を送れるよう抗菌性に優れている竹を活用した。食の安全への関心の高まりとともにホテルや料理店でも採用され、子供用に限らず広く注目を浴びるようになっている。藤岡康代社長はアレルギーに悩まされた娘の子育て経験から、独自に開発した離乳食の作り方を伝えるスクールの運営にも力を注ぐ。

 ◆使いやすさ追求

 代表的な商品は2007年の発売以来、累計で2万セット以上を出荷した皿、スプーン、フォークを組み合わせた「バランサーセット」。切り出した竹をそのまま削って加工したシンプルなつくりだが、子供が使いやすいよう、きめ細かい工夫が施されている。

 丸い皿は4つに仕切られ、ご飯、メインディッシュ、サイドメニュー、デザートをそれぞれ盛り付けられる。仕切りは焦げ茶色に縁取られている。乳幼児は視力が未発達とされるためで、目印の役割を果たす。スプーンですくって食べるのに最適な皿の深さやカーブの角度も実験を重ねて検証した。子供の使いやすさを徹底的に追求した商品は、自身の娘がアレルギー体質だったことがきっかけで誕生した。

 国際線のキャビンアテンダントとして世界中を飛び回っていた。やがて結婚し、夫の実家である東京・北千住の家具メーカーの仕事を手伝うようになる。国会議事堂に納入する家具を作る腕の立つ職人を抱える老舗だった。

 一方、森林伐採による環境破壊が問題視されるようになり、代替素材として竹に注目する。竹製の家具や小物の製造に乗り出したころに娘を出産。しかし、顔中にびっしり湿疹ができるほどのアレルギー体質に悩まされる。

 ちょうどそのころ子供用のプラスチック食器に、高い水準の発がん性物質が含まれていると毎日のように報道されていたことから、竹で子供用の食器をつくることを決意する。