【現場の風】トヨタが「全方位」でエコカー開発を進める理由 EVとFCVはどうすみ分け? (1/2ページ)

トヨタ自動車副社長のディディエ・ルロワ氏
トヨタ自動車副社長のディディエ・ルロワ氏【拡大】

 □トヨタ自動車副社長 ディディエ・ルロワさん(59)

 --水素で走る燃料電池車(FCV)を含めた「全方位」で次世代エコカーの開発を進める理由は

 「各国・地域のエコカー市場は違う方向に進んでいるからだ。充電インフラと水素を補給するインフラの両方が世界中に全て整うことは期待できない。適切な車を適切な場所に適切な時期に投入する立場を貫く。ただ、自社で全てを行えないため、独BMWと燃料電池システムの開発などで提携。最近ではマツダやデンソーと電気自動車(EV)の基幹技術に関する会社を設立した。提携によって、開発を最大限に効率化したい」

 --世界的な環境規制の強化を背景にエンジン搭載車からの「EVシフト」が加速している

 「トヨタにとって(EVは)新しい分野ではない。20年前(の1997年)に量産ハイブリッド車(HV)の『プリウス』を発表以来、HVを世界中に1100万台以上販売し、モーターやインバーターなど電動化に必要な技術の知識を蓄えている。それは将来、電気だけで動く『ピュアEV』をつくる上で大きな強みだ」

 --EVに搭載する次世代電池の開発状況は

 「トヨタはEVで出遅れているといった話を聞くが、何もしていないわけではない。(EVの航続距離を飛躍的に延ばす)『全固体電池』の特許の数でリードしている。現在、全固体電池を2020年代の早いタイミングで実用化できるよう、200人以上のエンジニアが量産化に向けた準備に一生懸命に取り組んでいる。この技術は『ゲームチェンジャー』になりうる」

EVとFCVはどうすみ分けていくのか