【片岡・日銀審議委員インタビュー】「民間銀行、弱まる稼ぐ力」 金融緩和、長期化は問題

インタビューに答える日銀の片岡剛士審議委員=24日、東京・日本橋本石町の日銀(酒巻俊介撮影)
インタビューに答える日銀の片岡剛士審議委員=24日、東京・日本橋本石町の日銀(酒巻俊介撮影)【拡大】

 日銀の片岡剛士審議委員が2%物価目標の早期達成に向け、追加の金融緩和策を講じるべきだとの主張は、消費税増税による景気の減速懸念などを念頭に置いているのはもちろんだが、「現状の金融政策を続けることで、(利ざや縮小など)金融機関に悪影響がじわじわ続くのは避けるべきだ」と考えている側面も大きい。ただ、日銀が金利をさらに引き下げる追加緩和に踏み切っても物価が上昇しなければ、銀行の経営はより厳しくなる。(飯田耕司)

 10月の金融政策決定会合で、片岡氏は15年物国債の金利が0.2%未満で推移するよう国債買い入れを強化すべきだと追加緩和の必要性を唱えたが、他の委員からは「プラス効果より副作用の方が大きい」などと反対された。会合メンバーの大多数は、資産バブルや銀行収益の悪化による「金融仲介機能」の低下を懸念している。

 だが、民間銀行の平成29年9月中間決算は、本業のもうけを示す実質業務純益が減益となったものの、株価上昇や企業倒産の減少で、利益水準は依然高い。片岡氏は「現状では金融仲介機能の著しい悪化はうかがわれていない」と反論する。

 とはいえ、物価が上がらないまま現行の大規模金融緩和が長期化すれば、金融機関の稼ぐ力は徐々に弱まる。片岡氏は、追加緩和で2%に到達する可能性を高められれば、「(金融緩和を手じまいする)『出口』が近づいてくるので、金利も上がり、金融機関には望ましい」というわけだ。

 ただ、追加緩和による物価押し上げ効果は不透明で、一段の金利低下が銀行収益を急速に悪化させる恐れもある。