【片岡・日銀審議委員インタビュー詳報】現行の金融緩和は「物価を押し上げるには、やや力不足」 (5/5ページ)

インタビューに答える日銀の片岡剛士審議委員=24日、東京・日本橋本石町の日銀(酒巻俊介撮影)
インタビューに答える日銀の片岡剛士審議委員=24日、東京・日本橋本石町の日銀(酒巻俊介撮影)【拡大】

「世界経済は堅調で、北朝鮮をめぐる地政学的リスクも含めて、リスクが顕在化していない状況。ただ、過去をみても、こうした状況はずっと続くわけではない。世界経済に大きなショックが襲うといったことが仮に生じた場合、現状描いている見通しが大きく狂う懸念があるため、そうなる前に、政策対応が取れる状態に戻しておく必要がある」

 --金融緩和の縮小を始める出口政策についてはどう考えるか

 「日本は、2%の『物価安定の目標』までまだ距離があるため、出口政策を考える段階にはない。むしろ、2%の『物価安定の目標』を達成するためにどのような政策をやったらいいのか、いまの政策で十分なのかを考えることが当面の課題だ」

 --なぜこれほど物価が上がらないのか

 「過去20年のほとんどの間、デフレが続いてきた中で、人々の物価観がデフレ対応的になっているというところが大きい」